副腎疲労症候群 ~医師が教える原因と解決法~

副腎疲労症候群~医師が教える原因と解決法~

副腎とは

副腎は腎臓の上にあるアーモンド大の臓器です。この小さな臓器は2つに分かれており、それぞれの役割を持っています。混同されやすいこの2つのシステムについてまずは解説しましょう。
内側を副腎髄質といい危険な状況を回避するため、アドレナリンやノンアドレナリンを放出して脳と体を加速させる役割をします。
外側を副腎皮質といいコルチゾール、DHEA、アルドステロンの3種類のホルモンを分泌しています。主に強いストレスなどが慢性的にかかるとこれらのホルモンの分泌は低下しますが、中でもコルチゾールの分泌が低下し、コントロール出来なくなった状態を副腎疲労といいます。

副腎疲労は英語でアドレナルファティーグということからアドレナリンを分泌する内側の副腎髄質に問題があると思われる場合が多いのですが、副腎疲労の原因となるのは外側の副腎皮質です。
同様に医師が診断を間違えやすい病名にアジソン病があります。アジソン病は非常に稀な病気ですが、急性で非常に危険な病気です。一方、副腎疲労は慢性的で直接命に関わる病気ではありませんが、非常に多くの方に見られる病気でアメリカでは人口の15%程度が副腎疲労ではないかと言われています。

副腎疲労の症状

副腎疲労の症状は様々ですが、複数の病院を受診しても原因不明とされ最終的に「うつ病」と間違えられることが多いのも副腎疲労の特徴です。主な症状を見ていきましょう。

その他にも副腎疲労の方は線維筋痛症、リュウマチなどの自己免疫疾患やガン、
突然死を引き起こす可能性もあります。

副腎疲労の原因

副腎疲労の一番の原因は精神的ストレスですが、過労、睡眠不足などの肉体的ストレスや生活習慣などが蓄積し、複合的な要素により引き起こされることがほとんどです。

副腎疲労の診断

副腎疲労かどうかの判断で一番重要なのは「問診」です。

副腎疲労診断テスト開始

病院では血液検査で判断されることが多いのですが副腎疲労において血液検査では正確な判断ができません。副腎疲労の検査方法として有効なのは「唾液検査」です。
ここでは唾液検査とコルチゾールの分泌について説明します。唾液検査では1日4回摂取し、主に唾液の分泌量と分泌パターンから判断します。

コルチゾールの分泌の正常な状態

朝の分泌が最も高く、
夜に向けて分泌量は低下します。

コルチゾールの分泌量

副腎疲労のコルチゾールの分泌パターン1

副腎疲労の多くがこのパターンです。
朝からコルチゾールの分泌が低く、
夜にかけてさらに低くなります。

コルチゾールの分泌量

副腎疲労のコルチゾールの分泌パターン2

朝から夕方にかけてコルチゾールの分泌が低く、
夕方から夜にかけてコルチゾールの分泌が
高くなります。
このタイプの方は夜になると目が冴えて
眠れない、朝が辛いと感じる事が多いようです。

コルチゾールの分泌量

副腎疲労の治療

自己判断で副腎疲労を悪化させないために。副腎疲労を治療する際に重要な「生活習慣の改善、必要な栄養素、禁忌」などを説明します。

ストレスコントロール

ストレスコントロール

副腎疲労の治療に一番重要なのは「ストレスを減らす事と休息」です。そのためには原因と限界を知ること。つまり何がストレスになっているか?体や心はすでに疲れきっているのに自分の限界を超えて頑張りすぎることは副腎に大きな負担となります。まずは休息。そして自分なりにできるストレスの軽減方法を探ってみましょう。スポーツ、友人と話す、趣味の世界、入浴などストレスをコントロールする方法は人それぞれです。

食事

食事

食生活の中でも炭水化物(糖質)のコントロールが特に重要です。砂糖や炭水化物を摂り過ぎるとインスリンの分泌が高まりますが、インスリンはコルチゾールの分泌を低下させてしまうため副腎疲労が悪化してしまいます。朝食には、なるべく糖分の多い食品は避け、タンパク質、脂質をしっかり摂ってください。タンパク質、脂質をとることで血糖値の上昇を抑えてインシュリンの分泌も抑えることができます。またコルチゾールの分泌パターン2の「夜になると目が冴えて眠れない」という方の夜の食事は、米や芋などの吸収力のゆっくりした糖質を食べることでコルチゾールの分泌を低下させ寝付きをよくすることもできます。(ただし砂糖や糖質の高すぎる食品は除く)

飲みもの

飲みもの

カフェイン、アルコールの摂り過ぎに気をつけましょう。コーヒーで無理に目を覚ましていませんか?一時的には疲労が回復したような気がしますが、長期的にみて体に無理をさせることは副腎機能を低下させ、副腎疲労を悪化させます。カフェイン(コーヒー、お茶、コーラなど)は控えるようにしてください。またお酒も同様に飲み過ぎは副腎にとって大きな負担となります。

運動

運動

副腎疲労に頑張りすぎは禁物ですが、運動がストレスの解消となる場合には効果的です。ただし重度の副腎疲労の場合には体力が回復するまでは運動は避け、体力の回復度にあわせて散歩やヨガなどの軽い運動から始めてみてください。

栄養素

栄養素

副腎疲労の回復に必要は栄養素は、ビタミンC、ビタミンB5、ナイアシンに加え、DHEAなどがあります。摂取の目安は一日あたりビタミンC3000mg、ビタミンB51500mg、ナイアシン100mg、DHEAは男性は25mgから女性は10mgから始め除々に摂取量を増やしますが、男性は100mg、女性は25mgを限度としてください。治療にはビタミンCを大量に摂取することになりますが、ビタミンCを経口から大量に摂取する場合、下痢や腹痛を起こすという副作用があります。ビタミンCを経口から大量に摂取する場合には必ず緩衝型のビタミンCを使用するようにしてください。

また副腎疲労の栄養素として一番効果的なのは副腎抽出成分を摂ることです。副腎抽出成分は一般的には動物の副腎から抽出されます。動物の副腎は人間と非常によく似た機能を持っており、副腎に修復に必要なタンパク質や微量の栄養素が詰まっています。副腎抽出成分を摂取することで副腎疲労は飛躍的に改善されます。ただし、ここで注意しなけらばならないのはコルチゾールが残留しているかどうかの確認です。必ず残留コルチゾールが除去されているものを選んでください。

ハーブ

ハーブ

副腎疲労の治療にはハーブ(生薬)も非常に効果的ですが、ハーブを上記の栄養素と併用することでさらに効果を発揮します。主なハーブにシベリア人参、アシュワガンダ、ロディオラ、甘草、朝鮮五味子、オウギなどがあります。これらのハーブは効果が穏やかでリラックス効果が高いのが特徴です。ただし甘草は血圧を上げる事がありますので、高血圧の方は注意が必要です。また疲労の回復には一般的には朝鮮人参が有名ですが、刺激強いので副腎疲労の治療の際には使用は控えてください。

副腎疲労は軽い症状でも3~6ヶ月の治療期間を要します。重症な場合には1年以上かかることもありますが、以上の生活習慣の改善、必要な栄養素、禁忌などに注意して、焦らず副腎疲労の治療にあたってください。

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