副腎疲労症候群~医師が教える原因と解決法~

【消化の問題とストレスの関連性】

集中力低下やイライラの原因や対処法

【消化の問題とストレスの関連性】

「下痢や便秘が続く」「胃もたれする」「食欲が湧かない」「胃がムカムカする」── 非常に身近な症状ゆえ、つい軽視しがちです。しかし、深刻な病気が隠れている可能性もあります。或いは、自律神経のバランスが乱れているのかもしれません。いずれにしても心や体が発しているSOSサインですので、長期にわたって続く場合には、不調の原因を突き止め、対策を講じることが大切です。

消化の問題とストレスの関連性

体調不良・疾患による胃腸の不調

胃腸の不調の中でも「吐き気」「食欲低下」「下痢」は、誰もが一度は経験したことのある症状でしょう。

♦ 吐き気

吐き気

「吐き気」とは、胃の不快感や吐きたいという感覚のことです。

<主な原因>

ウイルス・細菌による感染症や食中毒、乗り物酔い、薬による有害反応(抗がん剤など)、暴飲・暴食、妊娠、精神的ストレスなど。

<吐き気を伴う疾患>

以下の疾患があると吐き気を催すことがあります:
胃食道逆流症・急性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・腸閉塞・胃がんなどの消化器疾患、膵炎、胆嚢結石、腎臓結石、肝不全、肝臓がん、心筋梗塞、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、髄膜炎、片頭痛など。

♦ 食欲低下・食欲不振

食欲低下・食欲不振

文字通り、食べたいという欲求が減退していることをいいます。食欲不振の原因は精神的なものから身体的なものまで多岐にわたります。食欲不振が続くと、体重減少や栄養失調などの症状が出ることもあり、これを放置すると重症化する可能性があります。

<主な原因>

不規則な生活習慣、加齢、妊娠初期、薬による有害反応(抗がん剤や一部の抗生物質など)、太ることへの恐怖による神経性食欲不振、精神的ストレスなど。

<吐き気を伴う疾患>

消化器疾患、肺炎、髄膜炎、肝不全、肝炎、心不全、腎不全、甲状腺機能低下症、がん(特に大腸、胃、卵巣、膵臓)など、多くの疾患は食欲不振を伴います。

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♦ 下痢

下痢

ゆるくて水っぽい便や、頻繁に便意を催すことが特徴。吐き気や痛み、膨満感などを伴うこともあります。症状が数日続くものを急性下痢、2週間以上続くものを慢性下痢といいます。慢性下痢はセリアック病やクローン病など腸疾患に起因することも少なくないため、早めの診察が望まれます。

<主な原因>

乳糖不耐症、食物アレルギー、薬による有害反応、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、胆嚢や胃の手術、暴飲・暴食、精神的ストレスなど。

<吐き気を伴う疾患>

過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、がん、セリアック病、クローン病など。

精神的ストレスによる胃腸の不調

食中毒や病気などの心当たりがない、病院の検査でも異常はみられない── そのような胃腸の不調は心身の疲労やストレスに起因するものも少なくありません。それは、脳と腸が切っても切れない関係にあるからです。その関係性の鍵を握るのが神経系と神経細胞です。

神経系と神経細胞

♦ 消化機能をコントロールする2つの神経

消化機能をコントロールする2つの神経 GUT-BRAIN CONNECTION

消化機能は、消化管の内外にある2つの神経系が関わっています。
ひとつは中枢神経(脳&脊髄)につながる「自律神経系」。脳からの指令によって消化機能を抑制したり亢進させています。
もうひとつは食道〜胃〜小腸〜大腸の消化管壁内にある「腸管神経系」。内在神経系とも呼ばれます。消化管独自の神経システムで、蠕動運動や食物の分解に必要な酵素の分泌などを調整しています。

♦ 消化管には情報処理・伝達をする細胞が多数存在する!

神経細胞(ニューロン)は情報を受け取り、次の細胞や器官に情報を伝える役割を担っています。情報処理や思考の中枢である脳は神経細胞の集合体であり、ヒトの脳には約1,000億個の神経細胞があると言われています。
一方、消化管にも2〜6億個の神経細胞が存在します。脳の神経細胞数には遠く及ばないものの、脊髄の神経細胞数に匹敵、もしくは凌駕する数です。このように多数の神経細胞を有する腸管神経系は、脳の指令がなくても基本的な機能を果たすことが可能であり、脳のように情報を処理・伝達することができると考えられています。

♦ 神経細胞&神経系を通してコミュニケーションする脳と腸

消化管内に多数存在する神経細胞は神経系を介して脳とつながっています。この情報伝達ルートを通じて、腸と消化管は双方向的に、そして密接に影響し合っています。

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腸→脳:腸内環境は脳機能やメンタルヘルスに反映される

自閉症児

自閉症児には慢性的な腹痛、消化不良、下痢や便秘などの胃腸障害が多くみられます。自閉症児20人と自閉症でない小児20人、それぞれの便サンプルから腸内細菌を検出した研究において、自閉症児は腸内細菌の種類が少ない上、プレボテラ(Prevotella)属、コプロコッカス(Coprococcus)属、ベイロネラ(Veillonellaceae)科という3つの重要な腸内細菌の数が有意に少ないことが確認されました。別の研究では、18人の自閉症児に対して7〜8週間にわたり毎日の糞便微生物移植を行なったところ、胃腸障害および行動症状が有意に改善し、その後8週間改善状態が継続したと報告されています。
腸内細菌の中には、ストレス緩和に有効なGABA(γアミノ酪酸)を産生する細菌があることが確認されています。また、安心感やリラックスをもたらし、別名“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの90〜95%は腸内で作られています。
腸内細菌叢の乱れは、消化機能の問題だけでなく、脳の機能障害や不安・イライラ・うつ症状などにも関連するようです。逆にいえば、腸内環境を改善することが、脳や心の諸症状を軽減する治療法のひとつになり得るのです。

脳→腸:脳が感知したストレスは消化機能に反映される

自律神経 ストレス

先に述べたように、消化の働きには自律神経系が大きく関わっています。胃腸の活動を促すのは「副交感神経」で、副交感神経が優位である時に蠕動運動・消化・排泄が行われます。一方、脳がストレスを感じたときに優位になる「交感神経」は胃腸の活動を抑制します。
長い間ストレスに晒され続けると、交感神経ばかりが優位に働くことになり、消化機能は停滞します。消化管の血管が収縮することで胃腸への血流や酸素運搬は減少し、痙攣や炎症が起こることもあります。消化液の分泌が抑制されたままでは、食物がうまく消化されず、胃もたれ、食欲不振、吐き気、胃痛などを引き起こします。消化不良によって栄養吸収が困難になります。蠕動運動の異常は便秘や下痢を生じさせます。
当然、腸内環境にも影響します。腸内細菌叢の乱れがさまざまな疾患の引き金になり得ることは多くの研究でも明らかになっています。その中には、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸症候群(IBD)、リウマチなどの自己免疫疾患、アレルギー、がんなども含まれます。

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脳→副腎&腸→脳:脳を中心とする因果関係

The Stress Response ストレス反応

ストレスを感知した脳は、交感神経を刺激すると同時に、HPA軸(視床下部〜下垂体〜副腎)を介して、副腎皮質からコルチゾールの分泌を促進します。対ストレスホルモンであるコルチゾールには、血糖値を上げたり炎症を抑制する働きがあります。
長きにわたるストレスは、自律神経系のバランスを崩すだけでなく、コルチゾールを分泌する副腎にも影響を及ぼします。絶え間なくコルチゾールを分泌し続けた結果、副腎は疲弊し、機能が低下してしまいます。
コルチゾール不足により必要なときに血糖値が上がらなければ、糖を主なエネルギー源とする脳がうまく機能せず、その影響は脳が司る体と心の全てに及びます。また、炎症を伴う胃腸の不調があるとき、副腎から必要十分な量のコルチゾールが分泌されなければ、炎症を抑制することができません。これにより、症状が悪化したり長期化してしまうこともあります。このような消化管内のトラブルや炎症は(神経細胞&神経系を通して)逐一脳に伝わります。それを感知した脳が交感神経とHPA軸に指令を出して・・・と、果てしなき負のスパイラルに陥ってしまう恐れもあるのです。

ストレス対策

ストレス対策

ストレスは脳や自律神経系だけでなく、消化機能や副腎機能にも影響を及ぼすことは一目瞭然です。
残念ながら私たちの生活からストレスをなくすことは不可能です。しかし、ストレス要因から距離を置く、あるいは自分に合った方法でストレスを解消することで、心身が受けるストレスを軽減することができます。さらに、日頃から、腸内環境や自律神経、さらには副腎の健康を保つ生活習慣や食事・栄養を心がけることで、ストレスに負けない健康な心身を作ることが可能です。

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≪ストレスに効果的なサプリメントやハーブ≫
≪ハーブティーやハーブチンキ≫

参考資料 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5005185/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2776484/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3845678/, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22178854/, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23844187/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5264285/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2694720/, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22612585/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3181830/, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4202342/

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